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「カーボカウントとは何か?(続き)」

「糖質制限の食事療法-糖尿病学会でシンポ 日本人の体質・食環境に合った導入を」

http://sankei.jp.msn.com/life/news/130611/bdy13061107230001-n1.htm(産経ニュース)のレビュー記事を、全5回に渡ってお送りします。

本日は、全5回の第5回目です。

こんにちは。佐々木です。

今回も、女子栄養大学の本田佳子教授の「カーボカウント」のコメントに注目して、解説していきます!(^^)!

本田先生のコメント
「カーボカウントは、炭水化物の量に絞って食後の血糖を管理する方法で理解しやすい。体重、血糖濃度、生活の質など目的に応じて食事を選択し、血糖の管理ができる」

今回は、なぜ 「カーボカウント」が血糖管理に有効なのか? という疑問にお答えしていきます。

 

Whole Wheat and Brown vs. White Bread, Pasta, Rice and Flour

前回ご紹介した通り、カーボカウントは、“炭水化物の量を数える” ことでしたよね。

では、なぜ糖尿病の方は、炭水化物の量を数える必要があるのでしょうか?

食後は、どんな人でも血糖値が上がります。
糖尿病でない人でも、食後の血糖値は上がります。

この食後 血糖値にダイレクトに影響を与えるのが、糖質 なのです。

でも!
正常な人では、一度に多くの糖質を摂っても(例えば、ご飯の後にケーキを3つ食べても)、食後の血糖値は140mg/dl以上にはなりません。

反対に糖尿病の人は、1回の食事で糖質を摂りすぎてしまうと、
食後の血糖値がぐんと上がって、200mg/dlを超えてしまうこともあります。
中には500mg/dlを超える人だっているのです。

特に インスリン療法を行っている患者さんは、インスリン量に合わせて、摂取する糖質の量をコントロールする必要があり、
そのことからカーボカウントという考えが生まれたのです。

血糖値が170mg/dlを超えると尿糖がみられ、200mg/dlを超えると血管障害(血管が傷つく)がおきやすくなります。

高血糖状態によって、血管が傷つくことは、糖尿病の合併症をどんどん進行させてしまうことにつながるのです。

ですから、糖尿病や糖尿病の気がありますよと言われた方は、1回の食事で摂る糖質の量をコントロールする必要 があるのです。

また、インスリン治療を行っている方は、
カーボカウントを取り入れることで、インスリン量を調整することができるというメリットがあります。
ただし、インスリン量の決定は、必ず医師と相談して決めるようにしてください。

では、一般の方にはカーボカウントは有効なのでしょうか?

ダイエット(減量)をしたい方には、有効かもしれません。
というのも、以前ご紹介したように、炭水化物を減らそうとすると、自然に摂取カロリーも減らせます。
そのため、このやり方が合っている人には、カーボカウントの手法を取り入れるのも、1つの方法かと思います。

ここまで、糖尿病学会のシンポジウムのニュースから、
気になるトピックの解説をしてきました。

糖質制限”、“野菜が先の食事法”、“カーボカウント”など。

言葉としては知っているけど、
実は、その内容や食事法が推奨される理由、有効性は詳しく知らなかった・・、
というようなこともあったかと思います。

これからも、糖質に関するニュースの内容を少し掘り下げて、
奥深くて面白い糖質のお話を書いていきます!

佐々木由樹

東京都出身 女子栄養大学栄養学部卒業
東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻 社会予防疫学分野 客員研究員

UPDATE : 2013.08.23

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