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人気の“希少糖”の研究はどこまで進んでいるのか?

こんにちは。佐々木です。
最近、巷で耳にする“希少糖”
皆さんは、この名前聞いたことありますか?

希少糖(rare sugar)とは、「自然界にその存在量が少ない単糖とその誘導体」と定義され、D-グルコースやD-マンノースなどのいくつかを除いた単糖の大部分を占め、これまでに約50種類が知られている。希少糖の中で最も研究が進んでいる「D-プシコース」は、砂糖の7割程度の甘味がありながら、カロリーはほぼゼロ。(wikipediaより)

Cucchiaino di zucchero

すごく簡単にいうと、自然界にはほとんど存在しない糖で、
甘さは砂糖に比べて少し劣るけど、カロリーがほぼゼロの糖ということ。

希少糖を扱っている会社のホームページなどを見ると、
「夢のような糖」といった感じで紹介されています。

でんぷんなど一般的な糖から、特殊な酵素を使って、
希少糖を作り出すことに成功したおかげで、一気に商品化されたのだといいます。

そして希少糖の効果として、食後の血糖値上昇を抑制させる、
脂肪の蓄積を抑制させるなどがうたわれています。

そこで、今回は、この注目の“希少糖”と健康効果に関するエビデンス(根拠)が、
どのくらいあるのかを調べてみました。

今回は、世界の論文を検索できる
PubMed(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed)で検索です。

“rare sugar”(希少糖)と入力すると、121件がヒットしました!

パッと見、ラットに関する研究が多そうだったので、
さらに、ヒトの研究を検索したところ、12件がヒットしました。

その12本の論文の抄録(要旨)を読んでみると、
“ヒト”という言葉が含まれていただけで、
実際に人を対象とした研究は、残念ながらゼロでした

とても注目されている“希少糖”ですが、
今のところ、ラットや試験管での研究論文が中心で、
ヒトでの健康効果が確認されるようになるのは、もう少し先のようです。

このような新素材の研究では、
まず、その素材を摂っても安全かどうかの、安全性の検証がされてから、
効果があるかどうか確かめるといった手順を慎重に踏みます。

食後の血糖上昇が抑えられるのであれば、
糖尿病患者さんにとっては、とても嬉しいことですよね。

ですので、早くそれらの効果を知りたいところではありますが、
はっきりとした結果は、最低でも2~3年は待った方がよさそうです。

佐々木由樹

東京都出身 女子栄養大学栄養学部卒業
東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻 社会予防疫学分野 客員研究員

UPDATE : 2013.12.04

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