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若いのに肥満でないのに脂肪肝?!

NAFLD(ナフルディー)とは

NAFLD(ナフルディー)とは

今回は、「若年成人男性における代謝機能障害関連脂肪肝疾患および非アルコール性脂肪肝疾患に対する体脂肪蓄積の影響」という研究(※)をご紹介します。
(※)出典: Impact of body fat accumulation on metabolic dysfunction-associated fatty liver disease and nonalcoholic fatty liver disease in Japanese male young adults
・この研究は2023年5月4日「Hepatology Research」に公開されました。

●研究の内容は
この研究の目的は、若年成人男性の体組成とNAFLD(非アルコール性脂肪性肝疾患)およびMAFLD(代謝機能障害関連脂肪肝疾患)との関係を明らかにすることでした。2022年4月に健康診断を受診した岐阜大学の男子大学院生335名について健康診断データと超音波検査に基づいて行われました。

●発表された研究結果は
335名中、17%(57名)が脂肪肝と判定され、その内の56名が「非アルコール性脂肪性肝疾患」(NAFLD)であり、その56名中27名はBMI25以下の非肥満であることが明らかになりました。

●NAFLDとは
近年わが国では、アルコールを飲まない、過剰飲酒ではないのに脂肪肝と診断される「非アルコール性脂肪性肝疾患」「NAFLD(ナフルディー)」の増加が懸念されています。

※脂肪肝になるメカニズム
食事でとった糖分は、通常はグリコーゲンとして肝臓に一時的に貯蔵されますが、過剰な糖分は中性脂肪に変換されて肝臓にたまります。また食べ過ぎや運動不足などのために食事でとったカロリーが消費量を上回ると、肝臓で中性脂肪が多く作られ、脂肪肝となります。
(※日本消化器病学会NAFLDガイド2023より引用 nafld_2023.pdf )

●研究結果より
脂肪肝は中年以降のメタボでアルコールをよく飲む人の疾患と思われてきましたが、今回の研究で体格指数(BMI)が25未満で肥満でない若い男性でも、体脂肪量の多い、いわゆる「かくれ肥満」が脂肪肝疾患に関与していることも分かりました。
「やせている若い人であっても、脂肪肝になる可能性があり、体脂肪量に加えて骨格筋量や中性脂肪値など、病態を包括的に把握することが必要である」と研究者は結んでいます。


水谷俊江
/管理栄養士 2級ファイナンシャル・プランニング技能士

UPDATE : 2024.12.16

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