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ゼロカロリー甘味料がリバウンドを予防

健康的に長期的な体重管理に期待

●カロリーゼロ甘味料でダイエット後のリバウンド予防
欧州肥満学会議(ECO)が「砂糖をカロリーゼロ/低カロリー甘味料に置き換えることで2型糖尿病や心血管疾患のリスクを高めることなく、成人の急激な体重減少後少なくとも1年間は体重管理に役立つ」との研究(※)を発表しました。

 

研究の内容は

研究の対象は、デンマーク・スペイン・ギリシャ・オランダの過体重と肥満の成人341人(18~65歳、うち女性 71%、BMI25以上)と、過体重の範囲にある子供38人(6~12歳、うち女子 60%、小児肥満の判定で85パーセンタイル値を超過)。1年間のランダム化比較試験を実施し、試験の最初の2か月間、成人は5%以上の体重減を目的に低エネルギー食を実施、子供たちは体重を増やさないための食事指導を受けます。

その後の10ヶ月間、参加者を
①砂糖をカロリーゼロ/低カロリー甘味料に置き換えるグループ
②砂糖を使用するグループ
の二つに分けて比較するというものです。※いずれも摂取エネルギーは同じ

 

カロリーゼロ甘味料に置き換えることでより優れた結果に

12ヵ月後の結果はこちら

①カロリーゼロ/低カロリー甘味料を使用したグループの体重は7.2kg減
②砂糖使用のグループの体重は5.6kg減

また、血糖値やHbA1c値、コレステロール値など、2型糖尿病と心血管疾患に関連するマーカーは、両グループでの差はありませんでした。

さらに、参加者の食行動の分析では、以下のとおり発表されています。

①カロリーゼロ甘味料を使用したグループでは6ヵ月後の時点で外食での食事満足度が高く、甘い食品への欲求が低く、積極的な気分も高い傾向がみられた。
②砂糖使用のグループは6ヵ月後と12ヵ月後の時点で、甘い食品や塩味のきいた食品に対する欲求がみられた。

なお、身体活動や生活の質などについては、グループ間で差はありませんでした。

 

カロリーゼロ甘味料の健康的な食生活への可能性

今回の研究発表は、2023年、世界保健機関(WHO)の「カロリーゼロ/低カロリー甘味料は長期的な体重管理に有用ではない」と指摘する報告書を覆すものでした。

カロリーゼロ/低カロリー甘味料の使用の是非は、多くの研究者によって論争が続いていますが、カロリーゼロ/低カロリー甘味料の使用後、甘い食品への欲求が低くなったということがわかったことは、大きな進展となりました。

研究の結果が心身ともに無理なく、健康的な食生活にシフトできるきっかけになることを願っています。

(※)出典:Replacing sugar with sweeteners can improve weight loss control over the long-term in adults in the overweight range, finds European randomised controlled trial (欧州肥満学会議 2024年3月21日)


水谷俊江
/管理栄養士 2級ファイナンシャル・プランニング技能士

UPDATE : 2024.05.20

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