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低血糖と心理的負担の関係

こんにちは。佐々木です。
今日は、日経メディカルオンラインの記事をご紹介しつつ、私の見解を述べます。

「重度の低血糖は糖尿病関連の心理的負担を悪化させる」
(学会ダイジェスト:第49回欧州糖尿病学会)

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/easd2013/201309/532635.html
日経メディカルオンライン 2013. 9. 26

今回の記事は、今年の9月に開催されたヨーロッパ糖尿病学会の報告記事です。

・・・(引用)・・・

糖尿病の心理社会的な側面に焦点を当てた大規模な調査研究
「DAWN(Diabetes Attitudes, Wishes and Needs)2」から、
重度の低血糖の発現が糖尿病に関連する悩みを悪化させ、
心理的健康度を低下させる
ことが示された。

・・・(引用終わり)・・・

重度の低血糖の経験を持つ人ほど、心理的にマイナスのイメージを持つようです。

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私は以前、宿泊型のダイエット施設を運営しており、
糖尿病患者さんも多く来てくださっていました。

そのときに、強烈な低血糖の経験がある人ほど、
「運動して倒れたりするのが怖い」と言う傾向にあったことを思い出しました。

やはり、1度倒れたりした経験があると、怖くなるのは当然です。

そのような方でも運動をする際に、ご自分でできる対処方法は、
●必ず飴や氷砂糖など、すぐに吸収される糖質を持つこと
●ゆったりとした運動から始めること
●2人以上で運動すること(難しければ近くに人がいる環境で行うこと)

こういった事前にできる配慮をすることで、恐怖心は少し和らぐはずです。

また、記事は以下の点についても述べています。

・・・(引用)・・・

重度の低血糖の発生頻度は国によって大きな差が認められ(P<0.0001)、
トルコで最も高く、日本で最も低かった。

・・・(引用終わり)・・・

なぜこのような結果が出たのかは、記事からだけでは読み取れませんが・・、
日本は、他国に比べてインスリン使用のコンプライアンス(薬剤を使用する際に医師からの指示通りに使用すること)が良いのかな、と推考しました。
この記事だけでは断言できず、あくまでも仮説ですが・・。

ちなみに、今回の記事で、恥ずかしながら、
「DAWN(Diabetes Attitudes, Wishes and Needs)2」
(和訳:糖尿病患者の態度、希望及びニーズ)という取組を初めて知りました。
http://www.dawnstudy.com/

この取組みもとても興味深いので、
今後の記事の中でご紹介できればと考えています。

佐々木由樹

東京都出身 女子栄養大学栄養学部卒業
東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻 社会予防疫学分野 客員研究員

UPDATE : 2013.11.25

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